形・大きさ・製品の用途に応じ、青貝工程とその効果を想定して図案を描きます。次に、下図用の薄美濃紙に写し取ります。

 図案に合わせて青貝を切る方法は大きく分けて3つあります。一つが「截ち切り法」で、直線を作る場合に用いられます。2つ目は「突き切り」で円弧、眉形、紡錘形などを作るときに用いる方法です。3つ目は「針抜き」で、自由な曲線を作るときに針抜き法によって、欲しい形の青貝を作ります。

 貝切りで貝を準備した後、中塗り研ぎを終わった硯箱に置目を行います。1.で作成した下図の裏面に絵漆で置目描きをし、これを中塗り面に移し、消粉を蒔いて鮮明に写し取る。

 置目の範囲に薄く呂瀬漆(呂色プラス生漆)を地塗り刷毛で塗り、漆がややしまり始める頃に、置目にしたがって青貝の細片を一つ一つ貼り付けていきます。青貝を拾い取るには、突き棒を用います。面積の大きい貝は割貝とするか、おし糊、または膠を用いることが多い。

 青貝の下の漆が充分乾いてから、花の芯、鳥の羽毛、人物の顔、衣紋などを、針を用いて毛彫りをして繊細な表現をつけていく。

 青貝付けが終わった後、小中塗り、上塗りまで行って仕上げてゆく。 まず、小中塗りを行う。 青貝周囲を 固めると共に、漆のたまり、縮みを防止するため、薄く固め塗りを行う。これを小中塗りという。

 青貝表面の漆がよく乾いてから、小刀、またはのみを用いて、小中塗りを削り取る。さらに、静岡炭で全面を炭研ぎし、吉野紙で充分に濾した上質の呂色漆を全面に仕上げ塗りをします。

(上塗り)

 静岡炭で全面を平滑に炭研ぎし、さらにロイロ炭を使って仕上げ研ぎを行う。

 油砥の粉(砥の粉を種油で練ったもの)を綿布に付けて炭研ぎ面を磨き、緻密な肌に仕上げる。

 最上質の日本産生漆を、全面に充分摺り込み,吸い込むムラがなくなってから、綿、揉み紙を用いて余分な漆を拭き取って乾かす。

 摺漆の乾燥後、種油と角粉、またはチタン白を、指頭、掌で練り合わせながら漆面を磨くと、漆特有の光沢と深みが増してきます。
 この摺漆、磨きの工程を1回として、3回程度行うのが普通である。